山の記憶

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2015/10/18

北アルプス縦走 室堂ー新穂高 2015.9.21-27 6日目・7日目【黒部五郎小舎ー三俣蓮華岳ー双六小屋ー新穂高】

6日目・7日目【黒部五郎小舎-三俣蓮華岳-双六小屋-新穂高】

6日目朝、霧のような雨が時折舞う程度だったので出発。
この日の予定は双六小屋までなので時間には余裕があるのでのんびりと行く。


三俣蓮華岳
この時点では時折明るくなるもののガスに包まれた状態。

こんな天気ではと、双六岳はスルーして中道経由で双六小屋に行くことにしたが。

中道を歩きだしてしばらくすると急にガスが晴れてきて、
これは双六岳山頂経由にすればよかったと激しく後悔。


白い世界はどこへやら...三俣蓮華岳と鷲羽岳。
ついさっき、あの三俣蓮華岳山頂にいたときは真っ白だったのに。
もっとゆっくり出発してくればよかったな。

急激に回復する天気、目の前には


槍ヶ岳が!

道の脇に大きくて平たい岩があったのでその上からパシャパシャ撮影して、
何気なくひょいと岩から下りようとしたとき、重いザックに振られたせいかバランスを崩し転倒。
路面に叩きつけられ、その際に路傍にあった岩に脇から背中にかけて強打。
手にカメラを持ったままでとっさに受け身もとれなかったというお粗末。
それも場所はここでどうやってケガするのか不思議なくらいの全くの平坦な道...。

「!!!」

激痛のあまりしばらく動けず、
あ~、やっちまったと。
なんて馬鹿なんだろうと。

とにかくまずは心を落ち着けて息を整え身体をチェック。
外傷はちょっとした擦り傷くらいだが、
やはり岩に強打したところがかなり痛い。

とにかく双六小屋までは行かないと…
ザックを担ごうとすると激痛。
しかしなんとか担いで歩き出してみると、
ゆっくりそーっと歩けば痛みはそれほどでもなく、
これならなんとかなる!とちょっとホッとした。

慎重に歩いて双六小屋に到着。
さてどうする?

当初の予定ではこの日は双六小屋。
翌日笠ヶ岳に行き、
翌々日に新穂高へ下山。
それに合わせて新穂高にクルマの回送をお願いしてある。
今日の今日、今の今、いきなり予定変更で今から回送してくれというのも
回送業者としてもちょっと無理な話だろう。
それにまだこの期に及んで明日の笠ヶ岳行きを諦めることができないでいた。

とりあえずこの日は予定通りここでテン泊。
明日進むか下山するかは痛みの様子をみてのことにした。

テントを張ってとりあえず昼食。


そんな状態でよくもまぁ…しかし美味い。2日間飲めなかったから特に。



フツーにビールも美味いし食欲もバッチリでカレーも美味い。

これなら大丈夫じゃないか?
望みはまだあるんじゃないか?
どうやら打撲で済んだのではないか?
明日も進むことができるんじゃないか?

なんて思ったりもしたのだが、
ちょっと休んで考えようと、テントに戻って横になろうとすると、

「!!!」

激痛のあまり横になることができない。
はぁ、こんな状態ではやっぱりダメだ。
さすがに諦めるしかない。
回送業者に連絡して予定変更で明日の回送をお願いすると快く承知してくれた。


座っているのが一番楽なのでしばらく小屋前でボーっとしてた。
樅沢岳に登って夕日に染まる槍ヶ岳が見たかったなぁ。


鷲羽岳を眺めながら、
出てくるのはため息と、「馬鹿だよな~」という言葉の繰り返し。


とにかく明日は細心の注意を払って下山しなければならない。
転倒した場所からここまで歩いた感じでは、
ゆっくりそっと身体に衝撃の無いように歩けば時間はかかるがなんとかなりそうだ。
小池新道は何度も歩いたこともあるし、傾斜も緩やかで整備された歩きやすい道だ。
なんとかなる、大丈夫、テントの中でそう自分に言い聞かせながら
座った姿勢でうつらうつらしながら朝を待った。


7日目

天気は曇り。ガスった空を見上げなんかホッとした。

ザックを担ぐときには相変わらず痛みが走ったが、
担いで歩きだせば昨日と同じように痛みはほとんどない。
あとは下山までこの調子が続いてくれることを願うばかり。

そしてひたすらゆっくり歩を進める。

小池新道の途中では女優の釈由美子サンが
実践!にっぽん百名山のロケをしているところに遭遇。
テレビで見るよりも細くてちっちゃい感じだった。


そして、7時間ほどかかり無事に新穂高に下山。
クルマを回収して無事に帰宅することができた。

当初の計画は7泊8日。
そんなに長く体力的にも精神的にも歩き続けられるのか、
山にいられるのか、飽きちゃったりしないか?
そんな不安もあったが全くの杞憂だった。
アクシデントさえなければまだまだ歩き続けたい、
そんな気持ちだったなぁ。

ただ、今回全くの自分の不注意からケガをすることとなり、
せっかくの山旅を台無しにしてしまった感もあるけれど、
楽しいこともいっぱいあったし、良いことも悪いことも今回体験したことは
今後の山行にも必ず活きてくるし、また必ずそうしなければならないと思う。

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翌日、朝一で病院に行き、レントゲン検査の結果、
肋骨が4本折れているとのことだった。
医師も、よく下りてこられたね~と。
今思うと、担いだザックがうまく固定してくれる感じだったのかな。
空身で歩くほうが痛かったから。
(後日、経過観察の際にCT検査したら実は6本やられていたことが判明)


そして最初は、せっかくの夏休み山行なのになんて不運なんだろうと思ったけど、
もし脇や背中じゃなくて頭を打っていたらどうなっていただろう?
岩が尖っていたらどうなっていただろう?(これが見事に滑らかで丸みを帯びた岩だった)
そう考えるとゾッとするし、また、めちゃめちゃ幸運だったのではないか?
生かしてもらえたんだな~と今は思っている。


しばらく山歩きはできないけれど、
きっちり治して今後はより慎重に安全を心がけて
山歩きを楽しんでいけたらなと思う。

6 件のコメント:

  1. いゃぁ、凄い結末でしたね。
    でもその状態で縦走の重いザックせおってよく降りてこれましたね!気合でしょうか?相当な痛みだったはずなのに´д` ;
    不幸中の幸いでしたね、でもいつ何があってもおかしくないんだなぁ、と勉強になりました。
    治ったらまた、行けるのだから良かった^ ^
    お疲れ様でした!

    返信削除
  2. ◆cyu2さん

    こんばんは~♪ コメントありがとうございます♪

    まさかこんな結末になろうとは自分でもビックリです。

    今もバストバンドなるものを胸に巻いて固定してるのですが、
    ザックを担ぐとそれと同じように固定されたのかあまり痛みはなく、
    空身で歩くほうが痛みがひどくて、出発前に小屋に水汲みに行ったときは
    あまりの痛みにこれは無理かもって思いがよぎりました。

    打った箇所が頭でも足でもなく、岩も尖ってなくて、一日で下山できる場所、
    運を使い果たしてしまったかなと思うくらい運が良かったと思います。

    こんな不注意で軽率な事例は自分くらいだと思うので
    全く参考にはならないでしょうが、あんなバカなことしてはいけないという意味で
    他山の石としていただければ幸いです。

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  3. 骨折ですって! しかも6本(>_<)

    最初読んだとき『にほんブログ村』でスクロールを止めて閉じて、
    今読み直して何気なくスクロールして、続きを発見!

    よくもまぁ無事歩いて下山されました。
    そして、骨折ですんでホントによかったです。

    肋骨だと咳きしても痛むのかな。
    しばらくは風邪ひかないように、電車の中で肘入れられないように
    気をつけて下さいね。

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  4. ◆おみつさん

    こんばんは~♪ コメントありがとうございます♪

    スミマセン、紛らわしいというかややこしい書き方になってしまって。
    ケガのことなどサラリと流して楽しい山旅でした~♪で終わらせたい思いと
    自分の旅の記録なのでやはり書き留めておかなければという思いが交錯してしまいました。

    あの日から時間が経てば経つほど、冷静に考えれば考えるほど、
    運が良かった良すぎたな~と感じてます。

    3週間ほど経過しましてだいぶ痛みも治まってきましたが、天敵はくしゃみですね~。
    日頃意識しなかった五体満足で健康なことのありがたみを改めて考える毎日です。

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  5. イヤイヤ、何か怪我でもしてんのかな?と思っていたら肋骨やってましたか
    4本じゃなくて6本てのはアレですよ
    ビールのパックと同じ本数なんですよ
    御自愛専一
    ゆっくりと休養して下さいな

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  6. ◆さまんたさん

     こんばんは~♪ コメントありがとうございます♪ 肋骨がまさか
    6本も折れていたとは自分でも驚きでした。かつては必ずプレモルの
    6本パックをザックに忍ばせていた私…
    6という数字には因縁があるのかもしれません。山歩きを始めて
    6年、事故は縦走
    6日目に起きましたし、大学も留年して
    6年通いましたし、
     これまで付き合った………(以下省略)


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